kagishippogizashippo’s blog

空の色を映して流れていく雲と風

春の聲

真綿の原

 

軽やかに

 

まだ眠る 木々 花の芽 

寒い寒い凍てつく冬に逆らわず

春の陽を 風を 光を待ちながら

 

もうすぐ春だよ

 

真綿の原

 

先に咲くは

無邪気な仔犬の歓びの歌

はずむように 描かれた

花のような足跡

音階が咲き乱れる

春を呼ぶ楽譜のよう

 

 

雪がしんと広がる大地

 

真っ先に春を知らせたかった

香りを放つ 梅の花

薄く蕾を揺らして微笑う

 

ほら、

春が来る

 

仔犬の音符は自由に舞う

 

足跡は 地に咲く六花

春を呼ぶ

 

やわらかな陽射し

風も 空も

地に咲く六花に微睡みながら

 

春が来るよ

もうすぐだよ

 

楽しいよ

 

さあ、目をあけて

 

春がそこにいるよ

 

新しい春を運ぶ花はやがて色をつけ

それぞれに美しく

上を向いて誇らしく

春を知らせるだろう