kagishippogizashippo’s blog

空の色を映して流れていく雲と風

空の歌 秋の声

細かくちぎれてゆく雲が、

まるで空に描かれた五線譜のような電線に、きままな音階を刻んでゆく。

 

風が歌う。

 

雲が次々と五線譜を滑り、あるいはとどまり、そして新しい空の音を紡いでゆく。

 

透明に高く、かぎりなく高く広がる空は、いつまでも歌う。

空の声が聞こえる。

 

そんな初冬のひやりと頬を撫でてゆく心地に、空を走る音を見上げながら

ゆっくりと瞳を閉じる。

 

空が囁く。

もう秋だよ。

 

風が歌う。

もうすぐ冬だよ。

 

どこまでも終わらない新譜に心を委ね

 

今年初めての雪虫がふわりと踊っている。