2022-11-11 空の歌 秋の声 日々のこと 細かくちぎれてゆく雲が、 まるで空に描かれた五線譜のような電線に、きままな音階を刻んでゆく。 風が歌う。 雲が次々と五線譜を滑り、あるいはとどまり、そして新しい空の音を紡いでゆく。 透明に高く、かぎりなく高く広がる空は、いつまでも歌う。 空の声が聞こえる。 そんな初冬のひやりと頬を撫でてゆく心地に、空を走る音を見上げながら ゆっくりと瞳を閉じる。 空が囁く。 もう秋だよ。 風が歌う。 もうすぐ冬だよ。 どこまでも終わらない新譜に心を委ね 今年初めての雪虫がふわりと踊っている。